手を伸ばす勇気―星の王子さまに思う
大好きでときどき読み返す本の一つに、「星の王子さま」がある。
今、私の持っている「星の王子さま」は、私にとって二冊目の「星の王子さま」で、子供のころ買ってもらった文庫版がいつの時点でかわからないけれど手元から無くなってしまい、おなじく岩波書店から出た愛蔵版を買い直したものだ。
これが私にとってふつうの「星の王子さま」なのだけれど、ちょっと前に電子書籍で見かけたものの訳がちがっているような気がして検索してみたら、今はいろんな「星の王子さま」がいっぱい出ているのね。
挿絵がちがったり、訳がちがったり。
たしかに、もうずいぶん昔のことなので記憶はあいまいなのだけれど、初めて読んだとき、よくわからなくって、連続して読み返したはずだ。
今でこそ言わんとしていることを先回りして思うことができるけれど、そうなるまでに何度か読んでいたように思う。そして大好きだと思うようになったのは大人になってからだった。
今回読み直して、やっぱりじーんとして、やっぱりかわいいなぁと思って、大好きな本だと確認したけれど、他の人の訳で読んでみたら、どうなのだろう?
また別のことを思ったり、別のなにごとかが胸にできたりするのだろうか?
まさかキライにはならないとは思うけれど。。。
なんとなく手を伸ばすのが怖いような、簡単なことなのに踏み出せないなにかがあって、即行動とはならないところがもどかしい。
好きなものが慣れ親しんだものだと、別のものに手を伸ばすのには勇気が要る。
なにバカなこと言ってるの。
そんなふうに思われてしまうかもしれないけれど、そんなことを思っている。
あ、青い表紙のものもあるよね。
訳以外にもいっぱいちがうのかしら。
悩。